今回は育成セクションを紐解いていきます。
このセクションでは、社員のスキルやノウハウ面での成長にフォーカスした取り組みが行われています。
その代表例として社内ゼミがあり、運営や商品知識、マネジメントなど幅広いテーマについて、各分野のプロフェッショナルと言える社員が、他の社員に対してゼミを開いています。
そこで、実際に社内ゼミを開いている社員へのインタビューを通して、育成ゼミについて少し深掘ってみたいと思います。
今回は、マネジメントに関するゼミを担当する、押海さん(エヴァー・グリーン常務取締役)に
組織をマネジメントするにあたって、大切な価値観を聞かせていただきます。
ー押海さんはマネジメントに関するゼミを開いていらっしゃると同時に、3つのセクションを統括する立場でもいらっしゃいますよね。
そもそもなぜセクションという組織が出来たのでしょうか。
押海
『このセクションは、【革新プロジェクト】というプロジェクトの中で出来た社内組織なんですよ。革新プロジェクトというのは、優秀な社員を採用し、その社員に対してマインド・スキル・ナレッジの観点から育成をしていくことで、会社のさらなる発展を目指していくことを目的としています。』
ーこのセクションが出来る前と後で、どんな変化があったんですか。
押海
『育成セクションに関しては、スキル面の成長角度を上げれているように思いますね。というのも、育成セクションにいる社員が、各自何ができるのかを細分化して、それぞれが出来る分野のゼミの時間割を組んだんです。ゼミに参加してほしい社員というのも基本的にはセクション側で決めました。
例えば、入社間もない新入社員には、Photoshopの基本的な使い方や、服の生産に関する基礎知識などを教わるゼミを受けれもらっています。
それぞれの分野を専門としている社員から教育を受けられる機会なので、セクションが出来る前と比べると、高い角度の成長を作れているのかなと。』
ー押海さん自身、マネジメントに関するゼミを開かれてますが、社内教育に当たって意識されていることはあるんでしょうか。
押海
『自分の中の前提として、マインド・ナレッジ・スキルで言うとマインドが最も大切だと思ってるんです。成長に対する考え方がポジティブな人とネガティブな人がいた時に、ネガティブな人にはどんな育成をしようと効果が薄いように思うので。
逆に成長したいと強く思っている人に対しては、どんどんナレッジやスキルを入れていきたい。
だから昔からマインドに対する育成には注力してますね。今年から、朝の勉強会としてマネジメントに対するゼミを開いているのも、そこに意図があって。
根本的な土台としてのマインド面を育成することで、ナレッジやスキルが入りやすい土壌を作っているんです。』
ーマインドの育成といっても、ここが1番難しい部分ですよね。
押海
『そうですね。マインドを育成するうえで忘れてはいけないのが、人は変えられないという前提です。この前提を持ったうえで、自分としてはきっかけ作りに取り組んでいる感覚ですね。
人は変らえれないですが、情報提供をすることによって、変化のきっかけは作れると思っています。例えばフォトショップを使ったある作業に、30分かかっている社員がいるとします。そこにゼミを通して気づきのきっかけを与えることで、それが10分で出来るようになったりするんですよ。
ただ、あくまでやるかやらないかは本人次第なので、僕らが育成を通して相手をどうこうしようというのは考えていません。やるのは情報提供のみというスタンスが大事だと思っています。
だから、「教えたから出来るでしょ?」という考え方は絶対持たないんです。教育すれば、必ず相手がそれを実行してくれるということは決してなくて、相手の受け取り方次第でどうにでもなることだと思っています。
何か情報提供をしたことによって相手の行動が変わるきっかけになって、そこから行動を積み上げていくことによって成長があり、その人自身の信用信頼にも繋がっていくのが理想ですが、そううまくはいかないケースも多々ありますよ。
だからこそ、教えたことを肯定的に捉え、自分の成長のために実行に移していこうと思えるようなマインド作りが、大切なんです。』
ー育成チームとしては、どんなゴールを目指しているんでしょうか。
押海
『ゴールイメージとしては、成果に繋がるマインド・ナレッジ・スキルの育成がされている状態を作りたいと思っています。
ただ、この3点を教育するだけで、単なるインプットとして終わってしまう事には何の意味もなく、これらのゼミで身に付けた一つひとつのことが現場でアウトプットに代わり、
それが個人としての、又会社としての成果に繋がって初めて、育成に意味が生まれます。
そのアウトプットを通した成果達成によって、その個人はより多くの仕事や責任を任される人財となり、自己実現に向かっていけると思っています。
エヴァー・グリーンは、企業理念に共感した社員の集合体なので、それぞれの自己実現が会社の成果に繋がる土壌は既に存在します。
なので社員一人一人がこのゼミを通して得たものを現場に還元して自己実現に向かえば、自然と会社としても成長発展していくと考えています。
育成セクションでは具体的な成果に繋がるようなマインド・ナレッジ・スキルの育成に注力していきたいと考えています。』